私は，私達(わたくしたち)の祖先(そせん)が， 遠い昔遠大(えんだい)な理想(りそう)のもとに， 道義(どうぎ)国家(こっか)の 実現(じつげん)をめざして，日本の国をおはじめになり，そしてまた， 国民は忠孝(ちゅうこう) 両全(りょうぜん)の道を 完(まっと)うして，全国民が心を合わせて努力(どりょく)した 結果(けっか)，今日に至るまで，美事な成果(せいか)をあげて 参(まい)りましたことは、もとより日本の優れた国柄(くにがら)の 賜物(たまもの)でありまして、教育の根本もまたここに基(もと)づくものと思います。

　国民の皆さんは，子は親に孝養(こうよう)をつくし， 兄弟(きょうだい)、姉妹(しまい)は互いに力を合わせて助け合い， 夫婦(ふうふ)は仲むつまじく解(と)け合い，友人は 胸襟(きょうきん)を開いて信じあい，そして自分の言動(げんどう)をつつしみ， すべての人々に愛の手をさしのべ，学問を怠(おこた)らず， 職業(しょくぎょう)に専念(せんねん)し、 知識(ちしき)を養(やしな)い， 人格(じんかく)をみがき，さらに進んで，社会(しゃかい) 公共(こうきょう)のために貢献(こうけん)し， また法律(ほうりつ)や，秩序(ちつじょ)を守ることは 勿論(もちろん)のこと，非常(ひじょう) 事態(じたい)の発生(はっせい)の場合は， 真心(まごころ)を捧(ささ)げて，国の平和と、 安全(あんぜん)>に奉仕(ほうし)しなければなりません。 そして、これらのことは、善良な国民としての当然(とうぜん)>のつとめであるばかりでなく， また、私達の祖先(そせん)>が，今日まで身をもって示し残された伝統的(でんとうてき) 美風(びふう)を，更にいっそう明らかにすることでもあります。

　このような国民の歩(あゆ)むべき道は， 祖先(そせん)の教訓(きょうくん)として， 私達子孫の守らなければならないところであると共に，このおしえは、昔も今も変わらぬ正しい道であり，また日本ばかりでなく， 外国(がいこく)で行(おこな)っても，まちがいのない道でありますから， 私もまた国民の皆さんとともに，父祖(ふそ)の教えを胸に抱(いだ)いて， 立派(りっぱ)な日本人となるように，心から念願(ねんがん)するものであります。

十二の徳目

1

父母(ふぼ)に孝(こう)

親や先祖を大切にしましょう

2

兄弟(けいてい)に友(ゆう)

きょうだいは仲良くしましょう

3

夫婦(ふうふ)　相和(あいわ)す

夫婦はいつも仲むつまじくしましょう

4

朋友(ほうゆう)　相(あい) 信(しん)

友だちはお互いに信じあいましょう

5

恭儉(きょうけん)　己(おのれ)を 持(じ)す

自分の言動をつつしみましょう

6

博愛(はくあい)　衆(しゅう)に 及(およ)ぼす

広くすべての人に愛の手をさしのべましょう

7

学(がく)を修(おさ)め 業(ぎょう)を習(なら)う

勉学にはげみ職業を身につけましょう

8

智能(ちのう)を啓発(けいはつ)

知識を高め才能を伸ばしましょう

9

徳器(とっき)を成就(じょうじゅ)

人格の向上につとめましょう

10

公益(こうえき)を広(ひろ)め　 世務(せいむ)を開(ひら)く

広く世の人々や社会のためにつくしましょう

11

国憲(こっけん)を重(おも)んじ、 国法(こくほう)に遵(したが)う

規則に従い社会の秩序を守りましょう

12

義勇(ぎゆう)　公(こう)に 奉(ほう)

正しい勇気を持って世のため国のためにつくしましょう

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